格安「安い」税理士との契約
当社はホームページを見た方から「格安税理士を探しています」というお問合せを頂くことが多いのが特徴です。
もちろん事業をしていて、なるべく経費を節約したいと思うのは当然ですが、格安というだけで税理士を選んでしまうと、料金が安くなった以上のデメリットが発生することがあります。
ですので、格安税理士の選び方をきちんと把握して、メリットとデメリットを理解した上で、自社にあった会計事務所を選びましょう。
格安税理士のメリット
格安税理士を選ぶ最大のメリットは毎月のランニングコストを削減できる点です。
これまでの会計事務所は毎月会社に訪問するのが一般的でしたが、格安税理士は「訪問回数を減らす代わりに顧問料を安くする」ケースが多いようです。
大きい会社なら別ですが、小さい会社の場合、毎月でなくても三か月に1度のペースで税理士に相談できれば十分という人も少なくないようです。
ちなみに、最近は「会計事務所に来所してくれるなら顧問料を安くする」という料金プランを採用する格安税理士も増えています。
格安税理士のデメリット
全ての会計事務所に該当する訳ではありませんが、これまでの経験上、以下のようなデメリットが発生することが多いようです。
税理士と会えない
税理士に対するよくある不満で「税理士に滅多に会えない」という話をよく聞きます。
会計事務所と顧問契約した人は税理士に相談できると思っていたのに、いざ契約をしてみると事務員が担当することになってしまい、所長税理士に会えるのは決算のときに数時間程度というケースも少なくないようです。
ひどいケースでは、税務調査の立会の際も税理士は軽く挨拶をする程度で帰ってしまい、後は事務員に税務調査の対応を任せてしまうという話も聞きます。
経験の少ない職員が担当者になる
税理士が格安料金で契約をした場合、利益を出すために給料の安い経験が不足している職員に多くの仕事を任せて利益を確保しているケースも少なくないようです。
特にひどい場合には、経験の少ない職員が作った申告書を誰もチェックせずに税務署にそのまま提出してしまい、後で税務署から間違えを指摘されたという話も聞きます。
オプション料金を含めると相場より高くなる
見た目の顧問料はすごく安いけれど記帳代行や年末調整などのオプションを依頼すると相場よりも高くなってしまうというケースが多いようです。
特に契約時に顧問料と決算料の金額だけ説明をして、実際に業務を開始してから追加でオプション料金が発生することを説明する会計事務所もあります。
ですので、格安税理士を比較する際は、必ずオプション料金も含めた年額で比較するのがポイントです。
設立した当初だけ料金が安い
設立した当初だけ月額5千円からなど安い顧問料をアピールしている場合があります。
しかし、このような場合は一般的に3年目以降は相場よりも高い料金になることが多いので、「会社設立応援プラン」を設定している格安税理士から見積もりをとる場合には、3年目以降の料金を確認することが重要です。
実際にあった例ですが、決算のみ依頼した場合、2年目までの料金が8万円で済んでいたのが、3年目以降は30万円ぐらい請求されたということもありました。
安い税理士の探し方
格安税理士を年額で比較をする
顧問料が安くても決算料が高かったり業務の都度オプション料金が発生することがあるので、税理士報酬は年額で比較するのがポイントです。
また格安税理士のホームーページを見て料金を調べる際は、「面談回数はどのくらいか」、「記帳代行は顧問料に含まれているか」、「会計ソフト使用料は発生するか」についても注意しましょう。
顧問料がいくら安くても、1年に1度しか税理士に会えなかったり、依頼する度にオプション料金が発生してしまっては顧問料を支払う意味がなくなってしまいます。
ホームページのない会計事務所から見積もりをとる
「ホームページのある会計事務所は料金が安い」と思われがちですが、実際に見積もりをとってみると分かりますが、「ホームページのある会計事務所の方が料金が高い」場合があります。
ホームページのない会計事務所から見積もりをとる場合、電話帳を使って探すことになります。
その際は、こちらの売上規模や取引量を伝えるだけでなく、支払える報酬の予算を伝えて格安税理士が対応可能か返事を待ちましょう。
なおホームページを持っている会計事務所の場合、料金表を載せないといけないので値引き交渉の余地がない場合が多いですが、ホームページがない会計事務所の場合、料金表はあっても所長先生の裁量で決められる場合もあるので値引き交渉の余地があると思います。
法人の決算は自分で出来るか
「法人の決算を自分で出来るか」という質問をよく受けますが、「出来なくはないがお勧めしない」と答えるようにしています。
最近は初心者向けの会計ソフトが安い価格で販売されるようになったので簡単に決算書を作れるようになりました。けれども細かい部分は専門書で調べたり税務署に聞きながら進めていくので思っている以上に時間がかかります。
また、決算書や申告書を作っている間は他の仕事がストップしてしまうので、本来営業していれば得られた売上と税理士に依頼した場合に支払う料金と比べると、むしろ割高になってしまいます。
そして自分で作成した申告書に間違えがなければ良いですが、計算ミスや認められない経費を間違えて計上してしまった場合には修正申告をして追加の納税をすることになるので、結局は格安税理士に最初から依頼した場合とかかるお金は変わらないかも知れません。